2022年04月25日

 この度、佐賀県柔道協会会長にご推挙賜り、選出される運びとなりました。前会長である、中島祥雄先生がご逝去され、その遺志を受け継ぎ、佐賀県柔道界の発展の為、全力で取り組んで参る所存ですので、何卒、宜しくお願い申し上げます。
 一昨年、昨年と新型コロナウイルス感染症が世界各地で拡大し、世界中の人々に重大な被害をもたらしました。私たちの生活は一変し、経済、社会への影響は勿論のこと、教育界、スポーツ界、柔道界でも今までに経験したことのない大変な事態となりました。またロシアによるウクライナ侵攻など、社会不安が続いております。こういう時代だからこそ柔道普及をとおして、嘉納師範が説かれている「人間形成の道」すなわち、「精力善用」の精神と、「自他共栄」の精神で、社会貢献していかなければいけないと思います。
 今年は明治15年に嘉納師範が講道館柔道を創始されて140周年という節目の年となります。長い歴史と伝統を持ち、日本を代表するスポーツである柔道は、今や、世界中の200を超える国や地域において行われています。そして、世界各地で国際大会が開催され、昨年は日本で二度目のオリンピックが開催されました。柔道選手の活躍は目覚ましく、オリンピック史上最高の成績を収めてくれました。また試合後のインタビューに感動したとの声が各方面から聞こえてきました。これは柔道が目指す人づくり・人間教育の一端を選手たちが体現してくれたと思っております。本当に感動し頼もしい限りです。
 佐賀県においては、全国中学校柔道大会で芦刈中の古賀学君が準優勝、全国高等学校柔道大会で佐賀商業の近藤選手が優勝、森選手が準優勝、女子団体で佐賀商業が準優勝、全日本ジュニアで佐賀商業の橋口選手が準優勝、全国高等学校柔道選手権大会で佐賀商業の田中君が優勝、極めつけは団体で佐賀商業高校女子が公立校で初、佐賀県で初の優勝を勝ち取ってくれました。
 その他、佐賀出身の大学生である筑波大の田中選手、国士舘大の近藤選手がグランドスラム国際大会で優勝、入賞してくれていることは、2年後の2024佐賀国スポに向けて希望を抱かせる成果ではなかったかと思っています。
 強化において、良い成績を収めたことは、小、中、高の熱い指導者、関係者の皆様のご尽力によるものであり、心より感謝申し上げます。
 最後になりますが、佐賀県柔道が更なる成長を見せられるように関係各位に一層のご協力をお願いし、就任にあたっての挨拶とさせていただきます。

会長 小形 健二


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posted by 佐賀県柔道協会 at 21:24 | 会長挨拶

2020年12月13日

講道館の機関誌「講道館」に中島会長が寄稿された内容を今回掲載いたします。

 柔道は、創始者である嘉納治五郎師範が柔術諸流の長所を取入れて創意工夫を加え、明治15(1882)年、講道館創設と共に産声を上げた。
 現在200ヵ国以上の国と地域が国際柔道連盟に加盟している。このように、柔道が国際的に認知され、世界から愛されているのは、柔道に魅力があるからに他ならない。そこで、魅力ある柔道について私の考えるところを述べてみたい。
 嘉納師範は、大正11(1922)年に講道館文化会を創設し、「精力善用、自他共栄」という二大精神による社会教化への貢献を目指して活動することを柔道の本義とされた。講道館編著の『講道館柔道』によれば、精力善用は「精神身体の力を最も有効に使用することは、柔道技術の根本原理であるが、之はただ攻撃防御の技術の上にのみ当てはまるのではなく、世の各般の事をなす上にも最も大切なる根本原理である」、また自他共栄は「柔道修行者の理想とする境地を示すものであり、それは調和の世界であり愛の世界である」と説明している。
 その後、この二大精神が柔道修行の道標となった。現在でも修行者は「精力善用、自他共栄」を拠り所にして稽古に励み、嘉納師範が唱えた「柔道修行の究極の目的」である「己の完成」と「世の補益」の達成を目指して努力することが、大きな喜びであり、誇りでもある。このように柔道は、確たる精神的理念が備わっているところが素晴らしく、そこが人々を惹きつけるのだと思う。
 その一方で柔道人口は減少しており、平成30(2018)年の統計ではあるが、全国で遂に15万人を割り込んでしまった。佐賀県においても同様で減少傾向にある。
 その要因は様々だが、やはり少子化や各種スポーツ参加の多様化が大きく影響しているのではないかと思う。本県では、柔道人口を増やす方策として、地域の子どもたちへ勧誘の声掛けや各道場でのポスター掲示による募集活動を活発に行っているほか、全国少年柔道協議会主催による柔道教室を開催することで、未経験者に体験させる等の工夫をしているところである。しかし、勧誘によって一時的に柔道をやる子どもたちが増えたとしても、柔道が魅力あるものでなければ長続きはしないであろう。
 柔道は「礼に始まり礼に終わる」という言葉通り、礼節を重んじる。そして、対人で行うが故に、相手への感謝の気持ち、思い遣りの心を育むことができ、人間形成に寄与するという点も柔道の良さであると考える。  柔道が強くなるということも当然大切である。自分の得意技が決まったり、相手をものの見事に投げたりすることができることは、精力善用の具現化でもあり、柔道の魅力の1つであろう。また目的達成に向かって努力する大切さを学ぶことができるというのも大きな魅力だと思う。
 柔道は130年以上の長きに亘り、多くの先達者によって受け継がれてきた歴史があり、昨今の柔道人口減少という一局面で一喜一憂するべきではないのかもしれないが、だからと言って傍観しているのではなく、多く人たちに柔道の良さと魅力を知ってもらうための努力は必要である。
 全国少年柔道協議会や各県が行っている柔道教室の開催、勧誘活動などの地道な努力は、柔道の良さと魅力を知ってもらう絶好のチャンスとなるであろうし、継続することで必ず成果が出てくるものと確信している。
 東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナウイルスの世界的流行によって1年間延期された。世界中の注目が集まるところで、日本柔道が素晴らしい技を披露し、活躍することは、柔道の魅力を多くの人に伝えることに繋がるだろう。そして、多くの少年少女たちが柔道を志す切っ掛けの一助となることを大いに期待してやまない。
               佐賀県柔道協会会長 中島祥雄
posted by 佐賀県柔道協会 at 15:22 | 会長挨拶

2019年05月05日

 日頃から県柔道の振興発展にご尽力いただいており、心から感謝申し上げます。
 さて、柔道の発展振興についてみれば、やはり一番重要なものは柔道人口の増加対策ではないかと思いますが、全国的に減少傾向にあり、県においても同様であります。昨年の全国の柔道人口が15万人を超えていたのが、約6,000人減少し、ついに15万人を割り込んでしまいました。佐賀県においても同様で1,470人であったのが1,400人と70人減少しているところであります。柔道人口の拡大は、選手強化にもつながりますし、非常に重要なことではないかと思っているところであります。柔道をしたいという人をただ待つだけでなく、何もしてない子供達を見たら「柔道をしないか」という声掛けや柔道教室募集のポスター作成配布、掲示など勧誘活動をしていただくようにお願いします。
 減少傾向の問題点について考えてみますと、全国的にも同様でありますが、小学校で少年柔道をしていても、中学校へ進学すると、指導者が不在で柔道部がなく、他の部活動へ流出するというような問題があります。やはり重要なことは、小学校、中学校、高校へと一貫した指導が大切であります。
 現在佐賀県では、4年後の佐賀国スポを見据え、拠点校、推進校を決め、指導者の優先配置などの対策をしてくれるということですが、まだまだこちらの希望通りにはいかない状況であり、今後も継続して要望していきたいと思っております。
 選手強化につきましては、個人的には男女とも全国大会等で活躍する選手が出てきておりますが、国スポの柔道種目である、少年男子、成年男子、女子チームの強化が重要ではないかと思っているところであり、皆さま方のご協力をお願いします。
 柔道事故の防止については、特段の配意をお願いします。全国的にも大外刈りによる後頭部打撲による脳障害等重大事故が発生するなど、全柔連からも大外刈りによる受け身は段階的に行うなど指導方針が示されたところであります。重大事故を出さないためにも、初心者には受け身を徹底して指導していただきたいと思います。柔道の強さは選手時代の一時のものでありますが、受け身は一生涯自分を守ってくれる、柔道をやった宝であり、自分の柔道の証でもあろうかと思います。
 柔道は、嘉納治五郎先生が考案された素晴らしい武道であり、「精力善用、自他共栄」の教えは他のスポーツに誇れる柔道の素晴らしさであります。各指導者の皆さまには、指導の中で、相手に感謝し、思いやりの心を持つことや相手に対しきちんと礼をする礼法などしっかり指導していただきたいと思います。現在、児童虐待などが問題とされており、親の懲戒権など大きく変わりつつありますが、こういう時こそ「精力善用、自他共栄」の精神を教えることにより、柔道の価値が高まってくるものと思います。どうかよろしくお願いします。
 
佐賀県柔道協会 会 長  中島 祥雄
posted by 佐賀県柔道協会 at 18:34 | 会長挨拶

2016年11月17日

佐賀県柔道協会会長 中島祥雄

 今年日本柔道は、リオオリンピックにおいて金メダル3個を含むメダル獲得数 が12個と素晴らしい成績をおさめ、柔道日本の名を高めてくれた。特に男子にあっては、全員メダル獲得という快挙であった。
 佐賀県にあっては、全国小学生学年別柔道大会で秀島道場の岡島君が準優勝、全国中学校総合体育大会、60キロ以下で有田中学校の近藤君、55キロ以下で昭栄中学校の田中君が優勝という快挙を成し遂げた。また、インドで開催されたアジアカデ選手権大会の55キロ以下で佐賀商業高校の豊島君が優勝するなど本県の若い力の活躍が目だった年でもあり、加えて、岩手国体で成年男子が5位入賞を果たしてくれたことは、7年後の佐賀国体に向けて希望を抱かせる成果ではなかったかと思っている。
 しかし、本県柔道の本国体出場の実態を見てみると、少年柔道や女子柔道にあっては、ここ何年も九州ブロック予選に敗れ本国体に出場していない。佐賀国体に向けての今後の目標は、成年男子、少年男子、女子の本国体常時出場を目指して努力しなければならない。
 次に柔道の底辺拡大についてであるが、本県は柔道の登録者数が今年1,494名で前年より24名減と僅かではあるが減少している。しかし、毎年減少の一途を辿っており、なかなか減少傾向に歯止めがかからない状況にある。少子化等の影響もあるが、スポーツの多様化もある。こういう現状の中で、柔道の良さをいかにアピールしていき、魅力あるものとしていくかが重要である。柔道人口の裾野を広げていくことが、佐賀県柔道の発展強化にもつながっていくものであり、各指導者にあっては、次の点に留意して本県柔道の発展強化に努めていただきたい。
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1 重大事故の防止
 今年全国で死亡事故を含む重大事故は既に5件の発生をみており、痛恨の極みである。柔道に伴う重大事故は絶対あってはならない。指導者にとって最も気をつけなければならない重要なことである。万が一重大事故が発生すれば柔道の振興に大きな妨げになることは間違いない。重大事故を防止する為には、柔道の習い始めに柔道の基本である受け身をしっかり教えなければならない。皆さんが柔道を習い始めた頃を思い出して欲しい。何ヶ月も受け身の稽古をしたはずである。そして、どのように転ぼうが受け身で自分の身を守ることが出来たはずである。今、事故が一番多いのは、後方受け身での後頭部の打撲である。最近の子供は腹筋を含めた体幹が弱い。受け身の練習と並行して、腹筋、背筋、ブリッジ等のトレーニングを行い、体幹の強化を図ることも大切である。また、投げ技へ対応した受け身の稽古も片膝をついての受け身など段階を追って、習熟度を見ながら進めなければならない。
 では、もし目の前で大外刈りを受けた子供が後頭部を打撲して一時起き上がれなかった場合や乱取り稽古中に後頭部を打撲した場合、指導者としては慌てることなく、その場の状況をしっかり見極め、救急車を要請するなど必ず医者の診断を仰ぐ必要がある。万全の注意を持って臨んで欲しい。

2 個々の特性に対応した熱意ある指導
 柔道の発展にとって一番重要なことは指導者の熱意である。指導を受ける子供達は性格、体力等千差万別で一人一人違う。その特性を見極め、各人に対応した的確な指導を行うことは極めて重要であり、子供達の柔道を伸ばすことにつながる。
 その為には、指導能力の向上を図る必要があり、その重要性に鑑み、各種指導者講習会の場を活用するなどの自己研鑽に努めていただきたい。

3 柔道人口の発掘〜声かけなどによる創意工夫した勧誘活動
 地域における柔道人口をいかに増やしていくか、少子化等の中でサッカーや野球など他の競技と競合し、非常に難しい問題である。子供達を強くして、保護者を強い味方にすることも有効と思うが、現代になって失われつつある長幼の序や礼儀、他者への思いやりというものを柔道を通じて指導することが大切である。柔道は、日々の稽古によって強靭な肉体と何ものにも負けない強い精神力を養ってくれる素晴らしい武道である。嘉納治五郎先生が柔道創設した時の理念である「精力善用自他共栄」の精神をしっかりと教えることが、保護者や社会から共感を得ることになると思う。現在行なっている「柔道マインド」を徹底させることも方法である。派手ではないがこのような地道な活動を続けていけば、必ず花は咲くと確信している。
 その他各論的に大事と思うのは、地域の中で時間を持て余している子供や運動神経に優れ、将来強くなりそうな子供達に積極的に声をかけ、勧誘活動を行うのもひとつの手段ではないだろうか。指導者の皆さんの創意工夫した取り組みを期待している。

4 その他
 今年9月14日に開催された全柔連理事会で決定されたことを何点かお知らせしたい。
 (一) 少年少女柔道普及振興基金(通称;白石基金)の運用について
 今年4月に熊本県藤園中学・九州学院高校の元柔道部監督であった白石先生の死去によりご遺族から少年少女柔道の普及振興に役立てて欲しいと全柔連に一千万円の寄付があり、有効活用する為、全柔連があと一千万円を追加して今後10年間を目処に毎年少年少女の柔道普及振興に関し顕著な成果を上げた団体を20団体選考し、各団体に表彰と奨励金十万円を贈ることになった。
 (二) 大会等における「入れ墨」をした選手(高校生以下)の取扱いについて
 平成30年4月以降全柔連が主催又は後援する未成年者の大会において「入れ墨」をした選手は出場できないこととする。それまでの間は、当該選手の出場をできるだけ自粛することとし、やむを得ず出場する場合は、Tシャツ、包帯、テーピング等で隠すなどの措置を取って出場を認める。
 (三) 柔道競技に関わる活動に関する見舞金支給規程について
 指導者・競技者(全柔連に会員登録している者)が学校、道場およびこれらに類する施設で練習中、日射、熱射、急激かつ偶然な外来の事故により傷害を被り180日以内に死亡した場合、予期されなかった病死によって24時間以内に突然死した場合、身体に傷害を被り180日以内に後遺障害が生じた場合に、二百万円の見舞金が支給される。
 資格として会員登録が前提であるが、全柔連会員登録システムで会員登録が確認できれば問題ないが、それ以外は登録申請が確認できる者も認められる。その他全柔連に所属しているチームに対しチームの加入意思が確認できる資料(入部届けや加入申込書等書面にて確認できるもの)が必要となる。
posted by 佐賀県柔道協会 at 23:52 | 会長挨拶

2012年09月15日

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 このたび佐賀県柔道協会のホームページを開設することになった。この開設も柔道協会会計に就任していただいた樋口氏の力によるところであり、柔道の普及向上の為に
大いに役立つものと喜んでいる次第である。
 この柔道協会のホームページが佐賀県柔道指導者はもとより、柔道を志す方々の指針となるように願ってやまない。

 さて、今年4月号の雑誌「柔道」の巻頭言に私の柔道協会会長就任に当たって「地域における柔道の活性化を目指して」と題し、寄稿させていただいたので、この拙文を
私の思いとしてホームページ開設に当たり紹介させていただきたい。


    〜地域における柔道の活性化を目指して〜

 昨年4月に佐賀県柔道協会長に就任し、まもなく1年を経過したところであるが、佐賀という小さな県の中で柔道の活性化を図るにはどうすれば良いか、私の考えるところ
を述べてみたい。
 柔道の活性化を図る上で、重要と思われるのは柔道人口の底辺を如何に拡大することができるかに係っていると思う。そういう意味から佐賀県の柔道界を取り巻く環境は
非常に厳しく、柔道人口は減少を続けている。その要因として、少子化問題やスポーツの多様化などの他、中学校での指導者不足などが考えられる。
 せっかく、小学生以下の子供を主体に構成されている少年柔道が、いわゆる「少年柔道クラブ」として地域に根差し、指導者の熱意ある指導により活性化しても、それら
の少年が中学校へ進学する際、中学校での指導者不足や他のスポーツへの好奇心等の事情から、柔道から離れていくものと思われる。
 このため、少年柔道からの継続した指導体制の構築が望まれるが、こういうハード面に加え、「魅力ある柔道」というソフト面への充実強化が重要ではないかと思ってい
る。
 佐賀県には、地域と一体となって熱心に柔道に取組み、子供たちも生き生きと柔道に励んでいる少年柔道クラブがいくつか存在する。
 その内の一つを紹介すると、昨年11月にその少年柔道クラブが、結成35周年記念の柔道大会を開催した。クラブ結成後35年間の歩みをたどってみると全国大会での
優勝や準優勝など輝かしい成績を収めているほか、県内では常に少年柔道のトップグループに位置し、佐賀県の少年柔道をリードしてくれている。このクラブの運営に熱意
ある指導者の存在があるのは当然であるが、これに加え保護者会、このクラブを巣立った子供の親たち、つまり保護者OB会などが一生懸命支援活動を展開している。このよ
うな地域を巻き込んだ活動が子供たちを奮い立たせ、やる気を起こさせる原動力となっており、柔道が子供たちや親にとって魅力あるものとなっている。
 私は、佐賀県のような小さい県での柔道の活性化のカギは、ここにあるのではないかと思っている。
 活性化のためのひとつの方策として、子供たちを支援するための組織作りに加え、子供たちの親に対しては、柔道に対する理解と共感を得るために受身を覚えるだけでも
良いから「子供と一緒に柔道をやりましょう」と呼びかけているところである。このことにより、柔道を通じて親が子供を理解する、子供が親を尊敬するという心の交流が
生じるのではないだろうか。そういう交流の中で指導者や親、子供たちが柔道について真剣に話し合い、将来子供たち一人一人がどのような柔道を目指すのか、明確な目標
を持たせることにより子供たちにとって「魅力ある柔道」につながっていけばと思う。
 また、私たち柔道協会関係者が取組まなければならないものは、少年柔道から高校までの一貫した指導体制の構築である。
 佐賀県では、中学校に柔道経験のある指導者が配置されているのは5〜6校という寂しさであり、平成24年度から中学校での武道必修化が実施されることから、早急な
指導体制を構築する必要がある。
 このような状況の中で、全柔連において「指導者資格付与制度」が導入された。これは柔道事故を防ぐという安全指導がメインであり、子供たちの命を柔道事故から守る
ということが一番重要視されるべきものであり、柔道事故により取り返しのつかないことになれば、魅力も何もあったものではない。
 佐賀県柔道協会においても昨年8月に指導者資格取得のための講習会を開催し、多くの指導者に受講していただいた。今後もこの講習会を随時開催し、指導者の拡大強化
と資質向上を図っていきたいと考えている。そして、資格取得者にあっては、各地域の中学校での柔道授業や部活動に積極的に関与し、指導に乗り出すようにお願いしてい
る。このことが小学校から中学校、高校までの一貫した柔道指導体制となり、柔道の活性化につながっていくのではないかと思う。
 柔道は人間形成に大いに役立つ武道である。嘉納治五郎師範が古来の柔術の良いところを選りすぐって考案された柔道は、身体や精神力を強くする作用と人間としてのあ
り方を教える徳育を主体に考えられた素晴らしい武道である。
 つまり、嘉納治五郎先生が教義として唱える「精力善用」「自他共栄」は、柔道の究極の目的となっている。これは、今の日本に一番大事なことではないだろうか。将来
を担う子供たちに柔道を通じて逞しい身体と何ものにも負けない強靭な精神力を身につけさせ、社会に貢献できる有為な人間を育てることが、柔道人たる我々に求められて
いる使命と考える。
 その中心的役割を担うのは指導者のたぎるような情熱であり、その情熱が子供たちの心に響き、親を動かし、地域を巻き込み「魅力ある柔道」となっていくものと確信す
る。そして、このことが地域柔道の活性化につながり、子供たちを社会に貢献できる心身ともに健全な人間に育て上げることができるものと期待している。


              佐賀県柔道協会長 中島祥雄
posted by 佐賀県柔道協会 at 11:21 | Comment(0) | 会長挨拶