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県内柔道指導者の皆さまへ

 日頃から県柔道の振興発展にご尽力いただいており、心から感謝申し上げます。
 さて、柔道の発展振興についてみれば、やはり一番重要なものは柔道人口の増加対策ではないかと思いますが、全国的に減少傾向にあり、県においても同様であります。昨年の全国の柔道人口が15万人を超えていたのが、約6,000人減少し、ついに15万人を割り込んでしまいました。佐賀県においても同様で1,470人であったのが1,400人と70人減少しているところであります。柔道人口の拡大は、選手強化にもつながりますし、非常に重要なことではないかと思っているところであります。柔道をしたいという人をただ待つだけでなく、何もしてない子供達を見たら「柔道をしないか」という声掛けや柔道教室募集のポスター作成配布、掲示など勧誘活動をしていただくようにお願いします。
 減少傾向の問題点について考えてみますと、全国的にも同様でありますが、小学校で少年柔道をしていても、中学校へ進学すると、指導者が不在で柔道部がなく、他の部活動へ流出するというような問題があります。やはり重要なことは、小学校、中学校、高校へと一貫した指導が大切であります。
 現在佐賀県では、4年後の佐賀国スポを見据え、拠点校、推進校を決め、指導者の優先配置などの対策をしてくれるということですが、まだまだこちらの希望通りにはいかない状況であり、今後も継続して要望していきたいと思っております。
 選手強化につきましては、個人的には男女とも全国大会等で活躍する選手が出てきておりますが、国スポの柔道種目である、少年男子、成年男子、女子チームの強化が重要ではないかと思っているところであり、皆さま方のご協力をお願いします。
 柔道事故の防止については、特段の配意をお願いします。全国的にも大外刈りによる後頭部打撲による脳障害等重大事故が発生するなど、全柔連からも大外刈りによる受け身は段階的に行うなど指導方針が示されたところであります。重大事故を出さないためにも、初心者には受け身を徹底して指導していただきたいと思います。柔道の強さは選手時代の一時のものでありますが、受け身は一生涯自分を守ってくれる、柔道をやった宝であり、自分の柔道の証でもあろうかと思います。
 柔道は、嘉納治五郎先生が考案された素晴らしい武道であり、「精力善用、自他共栄」の教えは他のスポーツに誇れる柔道の素晴らしさであります。各指導者の皆さまには、指導の中で、相手に感謝し、思いやりの心を持つことや相手に対しきちんと礼をする礼法などしっかり指導していただきたいと思います。現在、児童虐待などが問題とされており、親の懲戒権など大きく変わりつつありますが、こういう時こそ「精力善用、自他共栄」の精神を教えることにより、柔道の価値が高まってくるものと思います。どうかよろしくお願いします。
 
佐賀県柔道協会 会 長  中島 祥雄
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